森からの門出の贈り物

新しい生活様式が始まり、ようやく外出することができるようになりました。

4月からのステイホーム期間を経て、今日は彼女と2か月ぶりの森歩き。外出自粛要請が発令されたのをきっかけに、半年以上続けてきた森林散策カウンセリングを一旦お休みしていました。久しぶりに会った彼女の表情は、とても晴れやかで生き生きとしています。いったいどのようなステイホームを過ごしていたのでしょうか?
 

―あーーー、やっぱり森の中は気持ちがいいですね!

――ほんとにそう思います。


―どうしてなんでしょうね?森の中も、家の中も、大勢の人と会うわけでもないのに、家の中にいるのと、森の中にいるのでは、気持ち良さが違いますね。


――確かに違いますね。


―でも、この2か月間、森には来れなかったんですけど、運動も兼ねて、子どもと一緒に近所の公園や緑地には行ってたんです。


――なるほど!場所は違っても、自然とは触れていたんですね。


―はい。ここで教えてもらってきた木の赤ちゃん達が、家の近くでも生まれていたことを発見したんですよ。一つ見つけたら嬉しくなっちゃって、それから子どもと一緒に、いろんな赤ちゃんの木を色々探し回ったんです。しかも子どもも毎日家にいたので、飽きないようにゲーム感覚でやってたんです!


――おーーー!すごい!ゲーム感覚で樹木を探してたなんて!


―で、もう一つ。木漏れ日がきれいに見える場所も見つけたんです!
並木道があるんですけど、ちょうどお日さまが出てるときにそこを通ったんです。そしたら子どもが、「ケンケンパーだ!」って言い始めて!何を言ってるのかと思って、地面を見たら、木漏れ日の光が地面に当たっていて、それがちょうど丸い円のように描かれているように見えて。思わず一緒に、ケンケンパーで遊んじゃいました(笑)。。


――なんと!楽しそうですね!


―はい!とっても楽しかったです。
今まで子どもと一緒にこういう遊び方をしたことなかったので、嬉しかったです。でも何より驚いたのが、自分でも知らぬ間に自然への視野が広がってて、気がつくと木や植物に目が向くような自分になっていたんだなあって。
だからこそ、思いがけず子どもと楽しい時間が過ごせて・・・・・。
ここでの森歩きが、ものすごいステイホームで役に立っちゃったんです。

 
と、とても楽しそうに話す彼女に、じーんと私も嬉しくなってしまいました。

突然変化した生活に戸惑う人も多いのに、彼女は限られた生活のなかの、身近な樹木に目を向けて、日常を楽しんでいたんだなあ、と。森で過ごしてきた時間は、いつも働くお母さんである彼女へ、子供とのかけがえのない時間をもたらしてくれたんですね。

またもう一つ!その時間に「遊び」と「工夫」が盛り込まれ、「木漏れ日」を「ケンケンパー」にして遊ぶセンス!一緒に歩いた森の時間が、彼女を通してお子さんにまで伝わっているかのように思えて、私の心はウキウキしていきますよ!

彼女が話してくれた「自分でも知らぬ間に」「気がつくと木や植物に目が向くような自分になっていた」のは、この半年間の森林散策カウンセリングの中で、無理に抵抗しないで素直に自然に従う姿へと彼女が変化していった証であり、だからこそ彼女の表情は晴れやかだったのでしょう。
 

~森のメモ~

ホオノキ:モクレン科モクレン属
Magonolia obovata
高木。北海道~九州の温帯に自生。葉の大きさは25~45㎝もあり、単葉では国内で最も大きいです。朴葉味噌、朴葉包み焼き、朴葉餅など食べ物を包む葉として活用され、一度は手に触れたことがある人も多いと思います。