夏から秋に向かう森は、冬の準備か?色々な生き物が忙しく動き回っているようですね。
今日の彼女は、2回目の森歩き。子育てがひと段落して自分の時間をこれからどうやって過ごしていこうかと考えていたところ、偶然にもインターネットで森林散策カウンセリングを見つけたそうです。しかし、これまで聞いたことのないカウンセリングに不安があったそうですが、一年の中で一番好きな季節の秋がやってくることもあり、ここは思い切って挑戦しようと思い始めたそうです。
さて、そんな彼女に、森はどんなことを問いかけてくれるのでしょうか。
―昼間はまだ暑いですね。
――ほんとですね。日差しが心地よく感じるには、もう少しかかりそうですね。ただ、森の空気は、先月より冷たくなったように感じますよ。
―確かに!そう感じます。毎日、通勤で外に出かけているんですけど、こういうちょっとした空気感は気にしたことがなかったです。
――そうなんですね。
と、カウンセラーは、目の前の樹木に見ながら答えました。
―あっ!なにかが生っています!
――柿がなっていますよ!
―わぁ~~~こんなところにカキノキがあるんですね・・・・・・・・・・・・。そう言えば、祖母の家にもカキノキがあって、子どもの頃、秋に遊びに行くと、柿を取って食べさせてもらいました。
――そうだったんですね。
―美味しかったですねぇ(笑)・・・・・・・・・。不思議と、スーパーで柿を見ても、こういう思い出を思い出すことはないんですが、いろんなものを食べさせてくれたり、経験させてくれましたね・・・・・・・・。
――可愛がられてたんですね。
と言って、次は、目の前の花に目を向けました。
―あっ!ハチ!!!
――生懸命、蜜を吸ってますよ。
―ほんと!
――足には花粉団子が付いています。
―お尻の方についている白い丸いものですか?
――はい、それです。後ろ足に「花粉かご」と呼ばれる部分があって、そこに花粉を丸めて運んでいきます。
―へぇ~「花粉かご」ですか!かわいいですね・・・・・・・・・・・・・・、あっ・・・、祖母の家でもミツバチを飼っていたような・・・。たしか、祖母がホットケーキを作ってくれた時、シロップが蜂蜜だったような・・・、子どもながらに、母が作ってくれたものとシロップの甘さが違うって思ったことがあって。
――そうですか!とっても貴重な体験をされてきたんですね。
―あ。。。。言われてみればそうですね・・・・・・。不思議と、いろんなことがよみがえってきます。時々は、祖母の家のこととかを思い出すことはあったんですが・・・・・・今まで、目の前のことをこなしていくだけで精一杯でしたね・・・。ちょっと反省します。子ども達をこういう自然に連れて来たことが少なかったなって・・・・・・・・。歩きながら目の前の自然のことを聞くと、分かりやすいし、面白いなぁともあらためて思いました。祖母達も、こうやって自然を楽しみながら自然を大切にしてきたんだろうなって感じます。だからこそ、自然の恩恵を小さかった私にも分けてくれていたんだなぁーと。自分の子どもには、ちょっと申し訳ないことをしたんですが、孫ができたら、私が楽しんできたことを体験させてあげたいと思いました。
と、そう言って、彼女は色々なことを振り返っているようでした。
森の中では、皆、小さい頃に経験した思い出を話してくれることが多いです。自然豊かな経験でなくても、森の中の、樹木や葉っぱ、昆虫や景色、その他の生き物などを見て、さまざまなことが思い出されるようです。そのきっかけとなるものが同じであっても、人が異なれば、その内容も千差万別です。思い出した時の自分自身、自分の感情、その時にいた周りの人達との関係などを振り返っているようです。そのことがどんな意味を持つのかがまだ分からなくても、時間をかけて、森歩きをしていくうちに、だんだんと分かっていくものです。
これから四季折々の森を楽しみながら、歩いていきましょうね。
ブログ執筆者 竹内啓恵
https://jumoku.co.jp/info/b201906-2/
~森のメモ~
(1) カキノキ カキノキ科カキノキ属
Diospyros kaki
本州~九州の暖温帯。低地~丘陵の林内や林縁で見られますが、庭木や畑でもよく植えられています。秋に熟す橙色の果実(柿)が特徴です。葉は強い光沢の大きな卵形で、樹皮は縦に細かく避けます(ハナミズキの樹皮に似ています)。民間療法では、カキノキの葉を煎じて飲むと高血圧に効くとも言われています。
(2)トラマルハナバチ ミツバチ科
Bombus diversus diversus
花粉媒介者。丸い体で、黄褐色と黒色の長い毛が密生します。名前は、トラ模様の毛で体が覆われていることから名づけられたそうです。また、フワフワの毛から「飛ぶぬいぐるみ」という別名もあるそうですよ。私は、「鬼のパンツ」を思い出します!