森の助け舟

クマシデ・葉表

クマシデ・葉裏

イヌシデ・葉表

数回の森林散策カウンセリングを経て、自分の中のモヤモヤっとしているものが自身の個性をなかなか認められないことから来ているのかもしれない、と気づき始めた彼女。その彼女とは毎回の森歩きの中で、必ず一種類は樹木を観察するようにしています。

――たくさん樹木がありますが、今日はこの葉っぱを見てみましょう。

―何ですか?

――これはクマシデという樹木です。ここに縦の線が一本、そこから横へ線が伸びているのが見えますか?

―見えます!

――しかもこれらの線は、他の葉っぱに比べてくっきりして、さらに横線が多いんです。

と、クマシデの葉を手の上に載せながら、近くにあったイヌシデの葉っぱも渡して見比べてみました。

―ほんとだぁ!こっちに線がいっぱいある~。プリーツスカートみたいでかわいい!!

「プリーツスカート」!!!???って、今言った!よね・・・!
今までに聞いたことのない表現にテンション急上昇↑
「クマシデの『クマ』とは何ですか?」
とか、
「クマシデの『シデ』とはどういう意味ですか?」
などの言葉は、よく聞いたことがあったけど・・・・、「プリーツスカート」っていう言葉が咄嗟に出てくる彼女の感性に触れ、カウンセラーの心が騒ぎ始めました。

そして、

―今まで、木はみんな同じだと思っていたけど、一つ一つ違うんですね。私、ちゃんと見てなかったな~。

とぽつり。
彼女の中の何かが揺れ、変わり始めたように感じられました。
そしてもうじき「人も一人ひとりが違っていいんだ」と、気づくだろうとも感じました。

彼女のワクワクするような感性に触れながら、彼女が少しずつ変化していくことに寄り添う過程は、森林散策カウンセリングならではの「動と静」であり、それを味わえることが森林散策の醍醐味なのだなあと感じます。

 

~森のメモ~

クマシデ カバノキ科クマシデ属
学名:Carpinus japonica

高木~小高木。本州~九州に分布。葉身長(葉の長さ)は6~12㎝。
葉は、細長い形で側脈(写真参照)が多く、葉の縁のギザギザ感が強いです。
「シデ」の名前は、花や果実がしめ縄に飾る「四手」のような形をしていることから由来しています。他にイヌシデ、アカシデがシデの仲間では有名です。

縄から垂れている白い紙が四手です。